1 MICE入門編

MICEって何?どんな仕事?

MICEアカデミーの第1回目は、「MICEって何?どんな仕事?」と題した入門編が9月30日に開かれました。講師は日本イベントプロデュース協会参事・教育人材部長の梶原貞幸氏。講義内容を、簡単にまとめて紹介します。

日時:
2010年9月30日(木)18:00〜20:30

講師・ファシリテーター:
梶原貞幸(日本イベントプロデュース協会参事・教育人材部長)

MICEとは何?

MICEとは、Meeting、Incentive tour、Convention、Event/Exhibitionの頭文字をとった造語で、オーストラリアで使われ始め、特に東南アジアで広がりました。中でもシンガポールでは、国の政策として力が入れられ、コンベンション施設を整備して成果を上げています。最近では、韓国、マカオなどもMICEに力を入れています。

日本では、国土交通省に観光庁が新設され、2010年をMICEイヤーとして、観光立国を推進する手段として取り組みが始まりました。従来のConvention、国際会議の現状では、2008年の国際会議の開催件数でいくとアメリカ、フランスに次いでシンガポールが第3位。日本は4位に入っていますが、海外からの人をさらに2000万人、3000万人呼ぼうと、Event、Incentive tour、Meetingを含めてConventionからMICEへと転換して幅を広げています。

MICEの基本構造

MICEの定義はEventと同じで、「なんらかの目的を達成する手段として行われる行催事」。行催事とは、会議、スポーツ大会、祭をいいます。一般的に構成要素は6W2H。Who, What, Why, Where, When, Whom, How, How muchです。形態は博覧会系、見本市・展示会系、会議・集会系、祭・フェスティバル系、文化・芸能系、スポーツ系の6つが基本です。

MICEがもたらす効果としてあげられるのは、経済波及効果で、開催地にとって大きな経済効果をもたらします。これには一次効果、二次効果、持続的効果があるといわれています。一次効果はMICE開催地の経済が活性化し、その都市の認知・理解が拡大され、国際文化交流、国際交流が盛んになること。二次効果は個人リピーターになって再び訪れてくれる再来訪効果。そして口コミ効果も期待できます。これらが重なって持続的に都市のブランドが確立し、雇用の創出拡大、都市機能の拡充へとつながります。

MICEはその都市の機能を魅力あるものにし、それが都市の発展につながり、さらに国力につながっていくのです。

MICE活性化の用件

MICEシティの概念は「アゴ・アシ・マクラ、ハコとヒトとマチ」の国際競争力です。つまりアクセスや会議場・展示場・ホテルなどのMICE施設機能、運営をするためのオペレーション、運営会社、人、組織といった運営機能、そして最後にアフターMICEとしての観光機能、その土地の魅力が重要となります。

そういう意味では札幌はポテンシャルのある都市だと思います。東南アジアのクアラルンプールとシンガポールで行った調査では、日本ではなく北海道の知名度が高く、あこがれの土地であり、北海道のブランド力を感じました。  MICE企画には、規模・機能性・便利さ・品質・独自性・ユニークさと人の能力が必要です。MICEを企画・制作・運営する人が大切なのです。地元の協力を得られなければ、いい企画はできない。地元から発想して、地元の資産・資源は何かを徹底的に調べて、それで企画を立てていくことがMICEには絶対必要です。

MICEの仕事

最後にMICEとして大事なのは日ごろの準備と主催者ニーズの把握です。情報を求められたらすぐ対応できるデータの整理をしておくこと。主催者のデータを収集し、アプローチしながら内容やニーズを把握し、主催者の動向、競合都市動向、観光・レジャートレンドといったMICE市場データを整備するとともに、主催ニーズを充足させるユニークベニュー、新たな価値の発見・創出を行い、魅力ある企画・提案をして堅実な実施をすることが、MICEへの取り組み姿勢だと思います。

WorkShop

「札幌のMICE能力を考える」

最後にMICEとして大事なのは日ごろの準備と主催者ニーズの把握です。情報を求められたらすぐ対応できるデータの整理をしておくこと。主催者のデータを収集し、アプローチしながら内容やニーズを把握し、主催者の動向、競合都市動向、観光・レジャートレンドといったMICE市場データを整備。同時に主催ニーズを充足させるユニークベニュー、新たな価値の発見・創出を行い、魅力ある企画・提案をして堅実な実施をすることが、MICEへの取り組み姿勢だと思います。